同行援護「盲ろう者向け通訳・介助員」経過措置の廃止提案とは?2027年3月末の期限と今後の見通し

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厚生労働省は、同行援護の従業者要件について、「盲ろう者向け通訳・介助員」を同行援護従業者とみなす経過措置を廃止する方針を、障害福祉サービス等報酬改定検討チームに提案しました(2026年9月24日報道)。現時点ではまだ提案段階で、正式決定ではありませんが、対象となる事業所には影響がある内容ですので、この記事で現状を整理します。

この記事のポイント(3つ)

  • 同行援護の従業者になるには、原則「同行援護従業者養成研修」の修了が必要です。
  • 「盲ろう者向け通訳・介助員」については、別の研修の修了者でも同行援護従業者とみなす経過措置があり、現在の期限は2027年3月末です。
  • 厚生労働省は、この経過措置を廃止する方針を提案しました。正式決定は年内(2026年内)を予定しているとされています。

この記事で使う言葉

  • 同行援護:視覚障がいにより移動に著しい困難がある方に対して、外出時に同行し、必要な情報の提供や移動の介助などを行う障害福祉サービスです。
  • 同行援護従業者養成研修:同行援護に従事するために、原則として修了が必要とされる研修です。
  • 盲ろう者向け通訳・介助員:視覚と聴覚の両方に障がいがある「盲ろう者」の外出やコミュニケーションを支援する専門職です。盲ろう者向け通訳・介助員養成研修を修了した方が従事します。
  • 経過措置:制度が変わる際に、一定の期間に限り、これまでのやり方や別の資格でも認める、という一時的な救済措置のことです。

結論:経過措置の廃止は「提案段階」で、まだ正式決定ではありません

報道によると、厚生労働省は障害福祉サービス等報酬改定検討チームの会合で、同行援護の従業者要件に関する経過措置の廃止を提案しました。この会合では、委員から強い反対意見は出なかったとされています。ただし、これはあくまで提案・検討段階の情報であり、正式な省令・告示が出たものではありません。方針の決定は、2026年内(年末)を予定しているとされています。

同行援護従業者になるための資格要件とは

同行援護に従事するには、原則として「同行援護従業者養成研修一般課程」を修了している必要があります。このほか、居宅介護職員初任者研修などの修了者で、1年以上の直接処遇経験がある方も対象になります。

サービス提供責任者については、より厳しい要件があり、同行援護従業者養成研修の応用課程を修了したうえで、介護福祉士などの資格と3年以上の実務経験、または移動支援事業での3年以上の従事経験などが必要です。

「盲ろう者向け通訳・介助員」の経過措置とは

盲ろう者向け通訳・介助員は、盲ろう者向け通訳・介助員養成研修を修了した、盲ろう者支援の専門職です。この研修は、同行援護従業者養成研修とはカリキュラムが異なる、別の研修です。

平成30年度(2018年度)の報酬改定で、この盲ろう者向け通訳・介助員養成研修の修了者についても、一定の条件のもとで同行援護従業者養成研修を修了したものとみなす経過措置が設けられました。これにより、盲ろう者向け通訳・介助員として活動している方が、同行援護の従業者としても従事しやすくなっていました。

この経過措置は、これまで期限が延長されながら続いてきましたが、現在の期限は2027年3月末(令和8年度末)とされています。

なぜ今、廃止が提案されているのか

報道によると、2025年4月から、盲ろう者向け通訳・介助員養成研修の修了者に対して、同行援護従業者養成研修の一部科目を免除する仕組みがすでに導入されているとのことです。厚生労働省は、この一部免除の仕組みがあることを理由に、「みなす」という形の経過措置は役目を終えたと考え、廃止を提案しているとみられます。

つまり、盲ろう者向け通訳・介助員の方が同行援護の従業者になる道が完全になくなるわけではなく、「一部の研修を受ければ同行援護従業者養成研修の修了者として扱われる」という、より研修の実態に即した仕組みに切り替わっていく方向性のようです。

今後のスケジュール

報道をもとに整理すると、現時点で公表されている情報は次のとおりです。

時期 内容
2025年4月〜 盲ろう者向け通訳・介助員養成研修修了者に対する、同行援護従業者養成研修の一部免除がすでに開始
2026年9月時点 厚生労働省が、経過措置の廃止を報酬改定検討チームに提案(検討段階)
2026年内(年末予定) 厚生労働省の方針決定を予定
2027年3月末 現行の経過措置の期限

正式な決定内容や、決定後の詳しいスケジュールについては、今後の厚生労働省の発表を確認する必要があります。

同行援護の事業所が今のうちに確認しておきたいこと

  • 現在、盲ろう者向け通訳・介助員としての資格をもとに同行援護の従業者として従事している職員がいないか
  • 該当する職員がいる場合、その職員が同行援護従業者養成研修(一部免除を含む)を修了しているか、今後修了する予定があるか
  • 今後の正式な方針決定・省令改正の内容を、随時確認していく体制があるか

経過措置がなくなっても、これまで盲ろう者向け通訳・介助員として活動してきた方が同行援護に関われなくなるわけではなく、一部免除という別の仕組みに移行していく可能性が高いと考えられます。あわてて対応を決めるのではなく、正式な方針が固まった段階で、必要な研修受講などを計画的に進めていくのがよいでしょう。

サービスごとの要件や、開業から運営までの流れは「障がい福祉サービス開業・運営の完全ガイド」にまとめています。人員基準は「障害福祉サービスの人員基準一覧」もご覧ください。

まとめ

  • 同行援護の従業者になるには、原則「同行援護従業者養成研修」の修了が必要です
  • 「盲ろう者向け通訳・介助員」については、別の研修修了者でも同行援護従業者とみなす経過措置があり、現在の期限は2027年3月末です
  • 厚生労働省は、この経過措置を廃止する方針を提案しており、正式決定は2026年内を予定しているとされています(まだ決定ではありません)
  • 背景には、2025年4月から始まっている、同行援護従業者養成研修の一部免除の仕組みがあるとみられます

制度の内容は、今後の正式な決定によって変わる可能性があります。実際の対応にあたっては、必ず厚生労働省の最新の公式情報をご確認ください。

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この記事を書いた人
行政書士 中谷 康宏

行政書士中谷法務事務所 代表。介護福祉士。高齢者介護施設での勤務を経て、現在も障がい福祉の訪問ヘルパーとして現場に立ちながら、障がい福祉サービスの指定申請・運営支援、測量業・建設コンサルタント登録などを担当しています。現場と窓口の両方の目線で、分かりやすくお伝えすることを心がけています。

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