大阪市が就労継続支援B型の新規指定を停止——今、開業を考えている方が知っておくべきこと

大阪市内で就労継続支援B型の開業を検討されている方に、まず結論からお伝えします。令和8年8月1日指定分から、大阪市は就労継続支援B型の新規指定(新規開設・定員増)を停止しています。これは「総量規制」と呼ばれる仕組みによるもので、対象は大阪市内のB型のみです。大阪府(大阪市・堺市を除くエリア)や堺市では状況が異なりますので、エリアによって対応を分けて考える必要があります。

この記事で使う言葉

  • 就労継続支援B型:一般企業などでの就労が難しい障がいのある方が、雇用契約を結ばずに軽作業などの訓練・就労の場を利用できる福祉サービスです。
  • 総量規制:サービスの供給量(事業所の数や利用定員の合計)が、行政の見込む必要量を大きく超えている場合に、新規の開設や増員を制限する仕組みです。
  • 指定申請:福祉サービスの事業所を開設するために、都道府県や市区町村から正式な認可(指定)を受けるための手続きです。
  • 事前協議:正式な指定申請の前に、自治体の担当窓口と事業計画の内容をすり合わせておく手続きです。多くの自治体で、これを済ませていないと申請自体を受け付けてもらえません。

大阪市は就労継続支援B型の新規指定を停止しています

大阪市は、障がい福祉サービスに係る総量規制の対象として、就労継続支援B型を令和8年8月1日指定分から令和9年7月1日指定分まで、新規指定を停止することを発表しました。対象は、大阪市内における新規指定申請および既存事業所の利用定員追加申請です。

実務上のポイントとして、令和8年7月1日付指定が事実上の最終受付となり、そのための事前協議提出期限は令和8年4月30日とされています。これから開設を検討される場合、通常のスケジュール感覚では間に合わない可能性が高い点にご注意ください。

理由:供給が需要を大きく上回ったための「総量規制」

大阪市が就労継続支援B型を規制の対象にした理由は、供給量が必要な量を大きく超えていると判断されたためです。

大阪市が示している資料によると、就労継続支援B型については、令和7年度の必要見込み量が月あたり279,997日、令和8年度は334,047日とされているのに対し、実際の供給量は月あたり519,087日(1,079事業所)にのぼり、必要量を大幅に上回っている状態です。この乖離を理由に、大阪市は「適切な量を維持し、サービスの質を確保する」目的で、B型のみを対象とした総量規制に踏み切りました。

なお、この停止は一律に「令和9年7月で終わる」というものではなく、その後は毎年の検証によって、規制の解除または継続が判断される仕組みになっています。現時点で再開時期が確約されているわけではない、という前提で捉えておく必要があります。

具体例:大阪府・堺市との違いで見る影響

同じ「大阪」でも、エリアによって状況が異なります。ここでは大阪府(大阪市・堺市を除くエリア)と堺市を例に、大阪市との違いを具体的に見ていきます。

大阪府(大阪市・堺市を除くエリア)の場合

就労継続支援A型・B型について、新規受付が停止されたわけではありません。ただし、令和8年9月1日指定分から、事前協議の提出書類・スケジュールが変更されており、提出期限は「指定日の3か月前の15日」となっています。期限内に事前協議が完了しないと、指定日が翌月以降にずれ込む点は注意が必要です。

堺市の場合

現時点で総量規制や新規受付停止の記載はなく、通常どおり新規指定申請を受け付けています。令和8年5月1日〜令和9年5月1日の期間について、開始予定日ごとの受付スケジュールが公表されています。ただし、就労継続支援(A型・B型)や就労移行支援は、申請予約の前に事前協議を完了しておく必要がある点は他エリアと共通です。

このように、「大阪でB型が難しい」というのは正確には「大阪市内でB型が難しい」という話であり、エリアを変えれば状況が変わる可能性がある、という点を押さえておいていただければと思います。

結論:エリア選定が開業成功のカギになります

ここまで見てきたとおり、大阪市内でB型の新規指定を受けることは、当面のあいだ難しい状況です。開業を検討されている方は、以下のような選択肢を軸に考えていく必要があります。

  • 大阪府(大阪市・堺市を除くエリア)や堺市など、規制対象外のエリアでの開設を検討する
  • 就労継続支援B型以外のサービス種別(就労継続支援A型、就労移行支援など)への変更を検討する
  • 総量規制の毎年の検証結果を見ながら、大阪市内での開設タイミングを見計らう

すでに大阪市内で事前協議を進めていらっしゃる方は、ご自身の進捗が令和8年7月1日付指定の期限(事前協議提出:令和8年4月30日)に間に合うかどうかを、早めに確認されることをお勧めします。

なお、就労移行支援・就労定着支援についても、現時点で大阪市・大阪府から新規受付停止の発表は確認できていません。ただし、A型・B型の状況が動いている最中でもありますので、今後の制度変更には注意が必要です。

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まとめ

  • 大阪市は、令和8年8月1日指定分から令和9年7月1日指定分まで、就労継続支援B型の新規指定を停止しています(対象は大阪市内のB型のみ)
  • 大阪府(大阪市・堺市を除く)は受付停止ではなく、令和8年9月1日から事前協議の手続きが変更
  • 堺市は総量規制の対象外で、通常どおり受付中
  • 停止後の扱いは毎年の検証で判断されるため、再開時期は現時点で確定していません

エリアやサービス種別の選び方に迷われている方は、お早めにご相談ください。


制度は今後変わる可能性があります。実際の手続きにあたっては、必ず各自治体の最新の公式情報をご確認ください。

出典・確認日(2026-09-17時点)

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