就労継続支援B型の新規指定、大阪府の審査はどう変わる?——総量規制の検討状況と、開設前に準備したいこと【大阪府所管】

障がい福祉サービス(就労継続支援・グループホーム・生活介護など)の開設・運営支援のイメージ画像 障がい福祉

就労継続支援B型の開設を考えている方に向けて、大阪府の新しい動きをご紹介します。守口市・門真市・大東市・四條畷市・交野市・摂津市・島本町・羽曳野市・藤井寺市の9市町は、大阪府が障がい福祉サービスの指定を行う地域です。大阪府の資料(令和8年度第1回 大阪府障がい者自立支援協議会 就労支援部会 資料5)では、この9市町のB型について、新規指定の審査の強化や、総量規制を導入するかどうかの検討が進められているとされています。この記事では、大阪府の公表資料をもとに、いま分かっていることと、まだ決まっていないことを分けて整理します。

この記事のポイント(3つ)

  1. 令和8年9月1日指定分から、B型の新規指定の事前協議(申請前の相談)の期限・方法が変わり、担当者との協議(審査・ヒアリング)まで期限内に終える必要があるとされています。
  2. 大阪府は令和8年6月から、府所管のB型に総量規制を導入するかどうかの検討を始めています。2026年10月15日時点で、大阪府の公表資料では、導入するかどうかや時期は示されていません。
  3. 新しい審査では、代表者などが事業計画・収支の見込みを説明することや、開設予定の市町への事前の説明が求められるとされています(大阪府の資料5)。準備に時間がかかる場合があります。

この記事で使う言葉(用語解説)

言葉 かんたんな意味
府所管9市町 大阪府が障がい福祉サービスの指定権者(指定を行う役所)になっている9つの市町。
事前協議 指定申請(本申請)の前に、事業の内容などを役所と相談・確認する手続き。
総量規制 地域のサービスの量が、計画で見込んだ量を上回っているときなどに、新しい指定をしないことができるしくみ。
サービス見込量/供給量 計画で見込んだ必要な量/実際に提供されている量。
在宅支援 事業所に通わず、自宅で訓練などを受ける支援の形。

1. まず確認:事業所を置く場所は「府所管9市町」ですか?

この記事の内容は、大阪府が指定を行う次の9市町が対象です。

【図1】大阪府所管の9市町(圏域ごと)

圏域 市町
三島 摂津市・島本町
北河内西 守口市・門真市
北河内東 大東市・四條畷市・交野市
南河内北 羽曳野市・藤井寺市

(9市町は、大阪府の資料5の注記でも確認できます)

これ以外の市町村では、市が自ら指定を行っていることが多く、窓口や取扱いが異なります。なお、まわりの市の動きとして、次のようなものがあります。

  • 大阪市:令和8年8月1日指定分から令和9年7月1日指定分までの新規指定と、定員を増やす変更(令和8年7月1日変更分〜令和9年6月1日変更分)の申請の受付を停止しているとされています(大阪市の案内。詳しくは大阪市のB型の新規指定停止の記事)。
  • 東大阪市:B型を対象に、令和8年8月1日から令和9年7月31日まで総量規制を実施しているとされています。この間は、新規の申請や、定員を増やす変更の申請ができません(翌年4月1日の状況によって延長されることがあるとされています)(東大阪市の案内)。
  • 八尾市:B型を総量規制の対象とし、令和9年1月指定分から、新規指定と定員を増やす変更を行わないとされています。総量規制の前の最後の指定日は令和8年12月1日とされています(事前協議の締切は令和8年10月5日でした)。解除か継続かは毎年度の初めに確認するとされています(八尾市の案内)。

八尾市・東大阪市は、市が指定権者です。

2. 何が変わったのか:大阪府の3つの取組み

大阪府の資料では、府所管のB型について、次の3つの取組みが示されています。

【図2】大阪府の3つの取組み

取組み 主な中身 いつから
運営指導の強化 在宅支援を行う事業所を中心に、訓練の内容や緊急時の対応を確認。公認会計士などの専門家も活用し、生産活動の収益から工賃が支払われているかを確認 令和8年8月〜
新規指定時の審査の強化 開設予定の市町に、開所の意向や事業計画を事前に説明するよう案内。協議には、代理人ではなく申請法人の代表者などが対応 令和8年9月の新規指定分〜
総量規制の導入の検討 府所管のB型に総量規制を導入するかどうかを検討 令和8年6月〜(10月15日時点で、府の公表資料に結論の記載なし)

背景として、府所管のB型への新規参入は、例年10数件程度だったものが、令和7年度は36件に増え、令和8年4月1日現在で192事業所になっているとされています(大阪府の資料5)。

3. 事前協議はこう変わりました(令和8年9月1日指定分から)

大阪府の「新規指定申請の事前協議について」のページでは、就労継続支援A型・B型の事前協議が、次のように変わったとされています。

【図3】A型・B型の事前協議の主な変更点

項目 内容
提出期限 指定日の3か月前の15日
提出方法 大阪府行政オンラインシステム(事前に利用者登録が必要)
期限までに終えること 受付期間内に手続きし、担当者との協議(事業内容等の審査・確認・ヒアリング等)まで完了する必要がある
新しい書類 事業内容確認書、生産活動内容と収支状況に関するシート
審査の方法 書面と面談による審査
間に合わない場合 事前協議の受付が完了していないと、指定日が翌月以降に延期になる

たとえば令和9年4月1日の指定を考える場合、「指定日の3か月前の15日」から計算すると、事前協議の提出期限は令和9年1月15日になります。あわせて、受付期間内に担当者との協議(審査・ヒアリング等)まで終える必要があるとされています(計算の例です。2026年10月15日時点で、大阪府の新規指定申請スケジュールは令和9年3月1日指定分までの公表のため、令和9年4月1日指定分の実際の期限は大阪府にご確認ください)。物件や人の手配と並行するため、日程には余裕を見ておくと安心です。

4. 新しい審査で、開設前にしておきたいこと

【図4】開設前の準備チェック

準備すること ポイント
開設予定の市町への事前説明 開所の意向や事業計画を、市町に説明できるよう準備する
代表者などが協議に出る準備 事業計画を、代表者が自分の言葉で説明できるようにしておく
生産活動と工賃の見通し どんな生産活動で、どれくらいの収益を見込み、工賃をどう支払うか(運営指導でも確認される点です)
在宅支援を考えている場合 訓練の内容と、緊急時の対応の考え方を整理しておく
事前協議の日程 指定日の3か月前の15日から逆算して、書類と協議の日程を組む

A型・B型の開設全体の流れは就労継続支援A型・B型を開設する前の「順番」の記事で、共通の準備は開設前チェックリスト(PDF)で整理しています。

5. 総量規制とは? いまはどの段階?

総量規制は、次のような場合に、都道府県などが新しい指定をしないことができるしくみです。

【図5】総量規制のしくみ

条件 内容
① 地域の供給量が、計画の見込量にすでに達している、または新しく指定すると超えてしまう
② 計画の達成に支障が出るおそれがある

根拠:障害者総合支援法第36条第5項

大阪府の資料では、府内のすべての圏域で、B型の供給量が見込量を上回っており、総量規制が可能な状況とされています(資料5 裏面)。9市町がある圏域の数字は次のとおりです。

【図6】見込量に対する供給量の割合(令和7年度)

圏域 割合
三島(摂津市・島本町) 119%
北河内西(守口市・門真市) 123%
北河内東(大東市・四條畷市・交野市) 130%
南河内北(羽曳野市・藤井寺市) 126%
大阪府全域 126%

ただし、府所管のB型に総量規制を導入するかどうかは、2026年10月15日時点で、大阪府の公表資料では示されていません(大阪府の資料5 表面では「導入可否等の検討を開始(R8.6~)」とされています)。今後の動きは、大阪府の発表で確かめておくと安心です。

6. 現場と窓口の目線から

開設のご相談をお受けしていると、事業計画や、積算(利用者数・工賃・人件費などの収支の見込みの計算)のあたりでつまずく方が多いと感じています。

これからは、協議に代表者などが出て、事業の内容を審査・ヒアリングで確認される流れになります。「なぜこの地域で開設するのか」「どんな生産活動で、工賃をどう払っていくのか」を、数字の根拠とあわせて自分の言葉で説明できることが、これまで以上に大切になると考えられます。書類を整えるだけでなく、計画の中身を早めに固めておくと安心です。

まとめ

  • 大阪府が指定を行う守口市・門真市・大東市・四條畷市・交野市・摂津市・島本町・羽曳野市・藤井寺市では、B型の新規指定の審査が強化されているとされています。
  • 令和8年9月1日指定分から、事前協議は指定日の3か月前の15日までに、担当者との協議まで終える必要があるとされています。
  • 総量規制は、導入するかどうかや時期が、2026年10月15日時点の府の公表資料では示されていません。
  • まわりでは、大阪市・東大阪市に加え、八尾市も令和9年1月指定分からB型の総量規制を行うとしています。

開設予定の市町への説明や、事業計画・収支の見込みの準備には時間がかかるため、日程に余裕を見ておくと安心です。大阪府の今後の発表で、受付の扱いが変わる可能性もあります。開設予定日が令和9年度にかかる場合は、早めに日程を確かめておくと安心です。

ご自分でできること 行政書士中谷法務事務所にご相談いただけること
府の事前協議ページ・新規指定申請スケジュールで、希望する指定日の受付期間を確かめる。開設予定の市町の窓口に相談の日程を取る 事前協議の書類、事業計画・収支の見込みの説明資料、ヒアリングに向けた説明内容の整理、受付期間から逆算した日程表

免責:この記事は、2026年10月6日時点(2026年10月15日に一部見直し)の大阪府・大阪市・東大阪市・八尾市の公表資料・公式ページをもとにした一般的な情報のご紹介です。取扱いは変更されることがあります。個別の手続きは、指定権者(大阪府)や開設予定の市町にご確認ください。


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審査が強化されるなかで、事業計画や収支の見込みを、筋道立てて説明できるように準備しておくことが大切になっています。
行政書士中谷法務事務所では、介護福祉士でもある行政書士が、現場を知る立場から、事業計画づくりや事前協議の準備をお手伝いします。開設後の運営も、顧問契約で継続してサポートしています。

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この記事を書いた人
行政書士 中谷 康宏

行政書士中谷法務事務所 代表。介護福祉士。高齢者介護施設での勤務を経て、現在も障がい福祉の訪問ヘルパーとして現場に立ちながら、障がい福祉サービスの指定申請・運営支援、測量業・建設コンサルタント登録などを担当しています。現場と窓口の両方の目線で、分かりやすくお伝えすることを心がけています。

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