障がい福祉サービスは、指定を受けたあとも、届出や報告の手続きが続きます。期限を過ぎてしまうと、報酬の減算や返還につながることもあります。このページでは、運営中の事業所が押さえておきたい主な手続きを、法律と大阪府・大阪市の案内をもとに、表で整理します。
このページのポイント
- 事業所の内容に変更があったら、原則10日以内に変更届を出します。ただし、移転や定員の変更などは事前の協議が必要で、あとから届け出るのでは間に合いません。
- 報酬が増える加算の届出は、大阪市では毎月15日までに受け付けられると翌月から算定できる、とされています。
- 処遇改善加算・情報公表は毎年、指定の更新は6年ごと。年間の予定に組み込んで管理することが大切です。
1. 開設後に続く手続きの全体像
| 手続き | いつ | ポイント |
|---|---|---|
| 変更届 | 変更があってから原則10日以内 | 移転・定員変更などは事前協議が必要 |
| 加算の届出(体制届) | 加算を取りたい月の前月15日まで(大阪市) | 要件を満たさなくなったときも、すぐに届出 |
| 処遇改善加算の計画書・実績報告 | 毎年度 | 期限は年度ごとに自治体の案内で確認 |
| 情報公表の報告 | 毎年度 | 報告していないと減算の対象になることがあります |
| 業務管理体制の届出 | 指定を受けたとき・届出内容が変わったとき | 届出先は事業所のある地域の範囲で決まります |
| 指定の更新 | 6年ごと | 更新しないと指定の効力がなくなります |
| 休止・廃止の届出 | 休止・廃止の日の1か月前まで | 再開したときは、再開後10日以内に届出 |
| 運営指導への備え | 日ごろから | 記録と書類を日々の業務の中で整えておく |
2. 変更届:「10日以内」と「事前協議が必要な変更」
障害者総合支援法では、事業所の名称・所在地などに変更があったときは、10日以内に届け出ることとされています(障害児の通所支援も、児童福祉法に同じ趣旨の定めがあります)。大阪府の案内では、次のような事項が変更届の例として挙げられています。
- 法人の名称・所在地、代表者・役員
- 定款
- 事業所の管理者、サービス管理責任者
- 運営規程
一方で、事業所の移転、定員の変更、区画の変更などは、変更してから届け出るのではなく、事前の協議が必要とされています。
| 窓口 | 事前協議が必要な変更の期限(目安) |
|---|---|
| 大阪市 | 事前協議は変更日の2か月前の月末まで、変更届は前月15日まで(例:12月1日の変更なら、事前協議は10月末、届出は11月15日) |
| 大阪府 | 事業所の移転・住居の追加などは前月15日が締切。生活介護・就労継続支援の定員の増加などは、3か月前の月末までの事前協議が必要 |
※大阪市の案内では、居宅介護などの訪問系サービスには、事前協議が必要な変更届はないとされています。提出方法(オンライン・郵送など)も窓口によって異なりますので、必ず各窓口の最新の案内をご確認ください。
管理者やサービス管理責任者が退職して、あとから「変更届が出ていなかった」と気づく。現場ではよく聞く話です。人の入れ替わりは、届出だけでなく人員基準や加算の要件にも影響することがあります。退職や異動の話が出た時点で、届出と人員の確認をセットで行う。この習慣が、運営指導で困らないための一番の近道だと考えています。
3. 加算の届出(体制届):「15日」が分かれ目
- 大阪市の案内では、報酬が増える加算などの届出は、毎月15日までに受け付けられたものは翌月1日から、16日以降は翌々月1日からの算定とされています。
- 反対に、人員の減少などで加算の要件を満たさなくなったときは、すぐに届け出るよう求められています。届出が遅れると、算定できない期間の報酬を返すことになるおそれがあります。
- 前年度の実績で区分が決まる加算などは、毎年度、別のスケジュールで届出が必要です。
4. 処遇改善加算:計画書と実績報告は毎年
| 書類 | 期限の原則(国の通知) |
|---|---|
| 処遇改善計画書 | その年度に初めて加算を算定する月の前々月の末日まで |
| 実績報告書 | 各事業年度の最後の加算の支払いがあった月の翌々月の末日まで |
令和8年度は、年度の途中(6月)に加算の見直しが行われ、届出の期限にも特例が設けられました。このように、期限や区分は年度ごとに変わることがあるため、毎年、自治体の案内を確認する必要があります。詳しくは処遇改善加算の取得・計画書・実績報告書作成サポートをご覧ください。
5. 情報公表:毎年度の報告
事業所の情報は、国の情報公表システムで報告し、毎年度更新する必要があるとされています。報告していない場合は「情報公表未報告減算」の対象になることがあります。令和7年度からは、事業所の経営情報の報告も始まっています。詳しくはブログ記事情報公表制度の報告と「情報公表未報告減算」で解説しています。
6. 業務管理体制の届出
指定を受けた事業者は、法令を守るための体制(業務管理体制)を整え、届け出ることとされています。届出先は、事業所がある地域の範囲によって次のように決まります。
| 事業所の所在地 | 届出先 |
|---|---|
| 1つの指定都市(大阪市・堺市)の区域内だけ | その市の市長 |
| 1つの中核市の区域内だけ | その市の市長 |
| 2つ以上の都道府県にまたがる | 国(厚生労働大臣) |
| 上記以外 | 都道府県知事 |
届け出た内容に変更があったときは、遅滞なく届け出ることとされています。事業所を増やして届出先の区分が変わる場合は、新たな届出が必要になることがあります。
7. 指定の更新・休止・廃止
- 指定の更新:指定は6年ごとに更新を受けなければ効力を失うとされています。大阪市では、提出期限の約1か月前に通知が届くと案内されています。
- 休止・廃止:休止・廃止の日の1か月前までに届け出ることとされています。
- 再開:休止していた事業を再開したときは、再開後10日以内に届け出ます。
8. 運営指導への備え
国の指針では、運営指導は、就労継続支援A型・B型と共同生活援助は3年に1回以上、そのほかのサービスは、原則として指定の有効期間内に少なくとも1回以上行うこととされています(障害児の通所支援は、別の通知で定められています)。指導の場では、人員の配置や個別支援計画、日々の記録などが確認されます。特に注意したい減算は運営指導で狙われやすい3つの減算で解説しています。
9. 行政書士中谷法務事務所のサポート(顧問契約)
- 届出の期限管理:変更届・加算の届出・処遇改善・情報公表・更新などの期限を、年間の予定表にまとめて管理します。
- 書類の作成・提出:変更届や加算の届出、処遇改善加算の計画書・実績報告書を作成します。
- 運営指導への備え:介護福祉士の視点で、日々の記録や書類が「日常業務の中で」整う仕組みづくりをお手伝いします。
料金は料金案内のページをご覧ください。
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※このページは、法律・国の通知と大阪府・大阪市の公開情報をもとに、一般的な内容をまとめたものです。期限や提出方法は指定権者(大阪府・大阪市など)ごとに異なり、年度によって変わることもあります。個別の事業所の取扱いは、指定権者にご確認ください。
