就労継続支援A型・B型の違いと開設・運営ガイド

「障がいがあっても働きたい」という願いを形にする就労継続支援。しかし、A型とB型では、経営構造も、求められる人員配置も大きく異なります。大阪で事業所を立ち上げるための重要ポイントを整理しました。

1. A型とB型、どちらを選ぶべきか?

最大の違いは「雇用契約」の有無です。

  • 就労継続支援A型: 利用者と雇用契約を結びます。最低賃金の支払いが義務付けられるため、**「高い収益性」**が求められます。
  • 就労継続支援B型: 雇用契約を結ばず、作業の対価として「工賃」を支払います。比較的重度の方も受け入れやすく、**「個別のペース」**を重視した支援が可能です。

A型を始めようとする方に私が最初にお伝えするのは、「これは福祉事業である前に、一つの会社経営です」ということです。最低賃金を保障し続けるには、福祉給付金に頼らない「稼ぐ力(ビジネスモデル)」が必須。事業計画書を作る段階で、協力企業との契約や仕事の確保ができているか、そこを徹底的に突っ込ませていただきます。

B型で工賃が上がらない原因の多くは、事務作業や加算管理に追われて、職員が「仕事の開拓」に時間を使えていないことにあります。エクセルで日々の記録や工賃計算を5分で終わらせる仕組みを作れば、その分、職員は利用者の工賃を上げるための営業活動に行けるはず。事務の効率化は、巡り巡って利用者のためになるんです。

2. 指定申請をパスするための「3つの柱」

① 人員基準

管理者、サービス管理責任者のほか、**「職業指導員」と「生活支援員」**の配置が必要です。これまでの実務経験や資格要件を事前に厳密にチェックする必要があります。

② 設備基準

作業内容に応じた「訓練・作業室」の広さが求められます。特に飲食や製造を行う場合は、保健所の営業許可(食品衛生法)との調整も不可欠です。

③ 収益・工賃の計画

A型の場合は「生産活動の収益から利用者の賃金を支払う」という原則があります。経営が赤字で自腹を切るような状態では、指定の継続が危ぶまれます。

3. 運営開始後の「大きな壁」

指定を取って終わりではありません。

  • 平均工賃(賃金)の向上: 加算に関わるだけでなく、利用者の満足度に直結します。
  • 一般就労への移行: 本来の目的である「一般企業への就職」をどうサポートするか。

意外と見落としがちなのが、作業の「裏付け」です。誰が、いつ、どんな作業をして、それがどう工賃に反映されたか。ここが不透明だと、実地指導でこっぴどく指導されます。私は、後から慌てて書類を作るのではなく、日々の入力だけで「いつ指導が来ても大丈夫」と言える管理体制の構築をサポートしています。

【重要】大阪市における「総量規制」について

大阪市では現在、就労継続支援B型の事業所数が大幅に増加したことを受け、**新規指定の制限(総量規制)**が実施されています。

  • 新規指定のストップ: 令和8年(2026年)8月1日指定分から
  • 定員増のストップ: 令和8年(2026年)7月1日変更分から
  • 事前協議の最終期限: 令和8年4月30日(令和8年7月1日付の新規指定を目指す場合)

大阪市内で就労Bの立ち上げを検討されている方は、このスケジュールから逆算して、物件確保や人員配置を極めてスピーディーに進める必要があります。

大阪市の総量規制が発表され、現在「駆け込み」での指定申請が急増しています。しかし、焦りは禁物。期限ギリギリで不備だらけの事前協議書を出しても、今の大阪市は容赦なく差し戻してきます。差し戻された時点で、令和8年8月のデッドラインに間に合わないリスクが爆上がりします。私は、単に期限を守るだけでなく「一発で受理される精度」の書類作成を徹底しています。

新規指定が止まるということは、今後大阪市内で就労Bを運営していること自体の価値が相対的に高まることを意味します。今から滑り込みで開設を目指すのか、あるいは既存事業所の運営を盤石にしていくのか。この規制を逆手に取った戦略が必要です。もし今のタイミングで「間に合うか不安」と感じているなら、一刻も早く図面と計画書を持って相談に来てください。